卵巣呼吸とは

卵巣呼吸法

 

近年、多くの女性たちが月経サイクルや閉経への移行のプロセスで苦しんでいます。

生理痛、腹部膨張、月経前や月経中に偏頭痛が起こるなど、女性たちがそのような愚痴をこぼすことがごく普通のように捉えられています。更年期に入ると、感情のバランスが崩れ、エネルギーが不足し、体重が増え、ほてりや倦怠感を感じる人も多くいます。これらの症状がまるで「普通」のことであるかのように思われています。

しかし、月経と閉経は病気ではありません。本来、月経前後や更年期中にそのような症状に悩む必要はないのです。

 

このような症状が増加している原因に、ホルモン剤の影響があるのではないかと私は感じています。ピルを服用したり、体内にホルモン関係の装置を埋め込めば、必然的にホルモンのバランスは崩れてしまうでしょう。

もうひとつ、ホルモン生成腺に大きな影響を与えるのが感情です。常にストレス状態にあるなど、女性が強い感情を感じると、ホルモン生成腺はバランスを崩すだけでなく機能停止を起こすことすらあるのです。

西洋では、女性のホルモンのバランスの乱れを原因とする不妊が増えているのですが、一方でピルを服用しているにも関わらず妊娠する女性もいます。

 

このようなホルモンのバランスの乱れには「卵巣呼吸法」がおすすめです。「卵巣呼吸法」は、身体の全ホルモン生成腺のバランスを整えてくれます。日常的に「卵巣呼吸法」を実践すると、次のような効果が望めます。

◇乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫、嚢胞などの予防

◇子宮脱や膀胱脱の予防

◇腹痛や乳房の腫れ,気分の乱れ、便秘などの月経前症候群の緩和

◇妊娠しやすくなる

◇更年期中のネガティブな症状の予防

◇性行為中の性的喜びの拡大

◇性に対する興味を維持し、閉経後も膣の潤いを保つ

◇生殖器における細胞のレベルでの根深いネガティブなパターン(恐れ、恐怖症など)の変容

◇一度の性行為で複数回オルガズムに達する

◇不感症の解消



 

「卵巣呼吸法」のセオリー

この「卵巣呼吸法」はタオイストの女性たちによくプラクティスされており、通常、「小周天」を開いた後に行ないます。「小周天」のプラクティスにより、眼、マインド、ハートが集中する「意のパワー」が養われ、私たちの先天のエネルギーはまとめられます。

 

生きていく過程で、私たちは「先天の気(根源的なフォース)」を消費し失っていきます。先天のエネルギーを増加させる唯一の方法は、〝愛を育むこと、思いやりを持つこと、そして、性エネルギーである〟とタオでは信じられています。

「性気功」は、無限のエネルギーを供給します。それは非常に治癒力が高く、エネルギー創造に最も効果的です。愛、喜び、幸福を育むこと、そして先天のエネルギーを卵巣にて活性化させることで、生命エネルギーを増加させることを学びます。

プラクティスは、実は内笑瞑想からすでに始まっています。内笑瞑想で自らの卵巣に焦点をあてることで、卵巣のエネルギーを活性化させ、愛の炎を卵巣へ送り込んでいるのです。この「卵巣呼吸法」では、卵巣にあたたかな感覚、あるいはうずくようなチクチクした感覚があるのなら、そのフィーリングを会陰へと降ろし、仙骨へと上昇させ、脊髄に沿って脳へと誘導するというプラクティスを行っていきます。

このステップをマスターしたら、次は頭蓋骨の下に圧を感じます。最初は知覚できないかもしれませんが、気の圧力がプラクティスによって増加し、右脳と左脳のバランスが整います。時計回りに九回、半時計回りに九回、気を脳内で平行に螺旋状に循環させます。それから「小周天」の前面のラインに沿って気を下へと誘導し、下丹田に気を降ろします。下丹田でしばらく時間を費やして気を集めます。集中すればするほどより多くの気が凝縮されていき、バッテリーがチャージされます。

 

一度でも卵巣のエネルギーを感じ、そのエネルギーを脊髄に沿って高次のセンターへ導くことが起きれば、変容が起こります。それが初めての「精気」の精製です。生殖器官内にある性エネルギーは洗練されていないため、それをスピリチュアル・エネルギーにするために精製する必要があるのです。

 

性エネルギーは扱いがとても難しいものです。多くの伝統では、その秘技が明らかにされるまで長年に渡り師に仕え従っていかねばなりません。「性」という言葉それだけでも、言及されると困惑してしまう人は多くいます。しかしタオでは、性エネルギーは火のようなものだと捉えています。食べ物や家を暖めるために火を使うこともできまずが、一方で家を燃やすことさえできるのです。


 

性エネルギーは完全に無視されるか、あるいは不健康に表現されることがあります。ほとんどの人が、このエネルギーとの健康的なつながりを持っていません。それにも関わらず、私たちは皆、性エネルギーを通じてこの世に生まれ、生殖器を持ち合わせているのです。

 

性的な関係を持たない女性、宗教上の理由から独身の人生を送った方などが、乳がんや子宮がんを患いやすいことは科学的に証明されています。これは何が原因なのでしょうか? これは、身体の一部がないがしろにされてしまったことで起こります。覚えておいてください。意識のあるところへ気は流れ、そして血液も流れます。性エネルギーを無視することで気や血流は不十分になり、バクテリアにとって安息の地のような場所になってしまうのです。

 

下丹田に気を集めることによって、あなたの先天のエネルギーが高まります。先天のエネルギーが蓄積されればされるほど、より気づきが高まります。さらに深いレベルにおいて、知識や叡智が貯蔵される第六感に触れていきます。下丹田は家のようなものです。それは、あなたの宇宙の中心なのです。あなたがどこにいようとも、このエネルギーと共にあれば、あなたは常に家にいるということになります。

 

私たちには下丹田•中丹田•上丹田があります。肉体、感情、スピリチュアルなレベルにおいて自分自身を癒すことは先天のエネルギーを培い、下丹田に気を収集することで起こります。中丹田は心臓とつながっており、上丹田は私たちの上部の中枢である脳と腺(松果体、脳下垂体、視床、視床下部、嗅神経)とつながっています。

 

下丹田がいっぱいになると、エネルギーは心臓の中枢へと流れ、そこから溢れ出たエネルギーは上部の中枢である宇宙のエネルギーへつながる腺へ流れていくのです。強く健康な時は、どのような問題が起きても対処できるものです。しかし弱っていて調子が悪い時には、この感情的な世界で生き残っていくことは困難です。だからこそ、自分に内在するパワーを貯めていくことにフォーカスする必要があるのです。

 

このパワーは意識や思考の中にあるものではありません。肉体に内在するパワーなのです。下丹田を強めていくと、直感(第六感)が引き出され、私たちを守護してくれます。直感が警告与えることが可能なのは、私たちがその声に耳を傾けることを学んだからです。上部の意識や思考が騒々しいと直感から分離されてしまうため、トラブルに巻き込まれることが多くなります。意識や思考を鎮めて下丹田=自分の勘から行動すれば、より良い判断を行うことができるようになるのです。

 

動物たちは、人よりうまく直感とつながっています。地震が起きる前や津波が到来する前に、動物たちはそれを感じ、身を守る行動をとります。ある雨の朝、私は仕事に遅刻しそうになりました。車に飛び乗って何も考えずに運転していたら、違う道を走っていることに気づいたのです。なぜこの悪路を選んで 長距離運転してきたのだろうと疑問に思いました。しかしもう引き返して戻る時間はありません。そして仕事を終え、帰宅する時にはいつもの道を通りました。すると、その道路は閉鎖されていたのです。一晩中大雨が降ったので、運河が溢れてその道路の最初の部分が冠水してしまっていたのでした。直感が私を導き、別の道を通ることで仕事に遅刻しないようにしてくれたということが分かりました。

引用文献:「女性のためのタオ・エナジープラクティス」ユタ・ケレンバーガー・ライヒエルト 著

性エネルギーと小周天 

中国の漢の時代(紀元前206年~紀元220年)の初期の頃から、タオの修行者たちは、精気(単に精とも言う)と呼ばれる、途方もなく創造性に富み、心身の元気を回復させる力を持っている性エネルギーのことを知っていました。彼らは、性エネルギーというものが人間の生命の基盤であることを認識していたばかりでなく、それが創造的で卓越した知恵や、物事を駆り立て動機づける力、自己治癒力などの源泉にもなっていることを知っていたのです。このような理由から、タオの道士たちは、タオの房中術をマスターすると、男女が幸福を得られるばかりでなく、健康を改善し、長寿を楽しみ、果ては不老不死の達成さえも可能である、と信じていたのです。漢代に著された文献の中には、これらについての事例がたくさん述べられており、またその後の時代にも、この技法をマスターした人々が、強健なからだを楽しみながら齢を重ね、150歳か、あるいはそれ以上の長寿に到達したことが記されています。

中国では、いつの世も長寿が求められ続けてきました。中国の社会の中では、人は年をとればとるほど、ますます尊敬されたのです。いつまでも健康を保ったままでいられるものならば、齢を重ねることは大きな喜びであり、老年は、人生最高の 時となります。中国の人々は特に黄帝の伝説から、人生の範としての大きな示唆を受けてきました。黄帝は中国の初期において、医学と生理学に関するその深遠 な言説ゆえに、中国のタオの思想と中国医学の始祖と目されています。黄帝は、有名な『黄帝内経』を著しましたが、この書物は、数千年を経た今日でも、今なお中国医学研究の原典となっています。黄帝は、その医学探究に加えて、愛のタオにも 強い興味を持っていました。漢代の有名な歴史家、司馬遷によれば、黄帝の治世は、100年余に及んだということです。その問、彼は漏らすことなく強烈に愛のタオの修行に励み、その結果「仙人として白日昇天した」と言われています。 

 

初期の頃に著されたタオの性の教本 『彰祖』のなかには、「黄帝、愛を交わす際に、これを思いのまま制御せり。…而して昇仙す 普通の人々、十分に制御できぬまま愛を交わし合う。それゆえ、かくも寿命が短いのである。男、もし美しき女を愛するや、頻繁に射精を繰り返さばその身は似つき、百病を被るであろう。それまさに、死を求むるに等しい」と述べられています。黄帝の例からもわかるように、長寿と不老長寿を求めるタオの修行者たちは、射精せずに愛を交わし合う修行を行っていました。

 

彼らは、古代に記された性修行の手引き書を研究していました。それらには 『素女経』や『玉房秘訣』、『玄女経』などがあり、これらの古物は、黄帝と、彼を愛のタオへと誘う 3人の性の伝授者の女性たちとの対話として描かれています。この3冊や、その他の初期の頃に書かれた愛の予引き書は、一般には公聞が禁じられ、当時の支配層や秘教の伝授者たちにのみ継承され、保持されてきました。伝授者たちは、自らの性エネルギーをマスター することによって高められためられた力を用いて、知恵を増し、慈悲を高め、そして義を広めていたのです。

 

 

 

タオのヒーリング・ラブ

 

ヒーリング・タオ・システムでは、精気のエネルギーを、心身の健康を回復して男女の性的関係を調和し高揚させていき、さらには霊的な成長を増進していくために活用していきます。 この実修全体を、タオのヒーリング・ラブ、ないしは精功夫/卵功夫と呼んでいます。「功夫」 とは、文字通りに言うと、ひたすら努力と訓練を重ねた結果、かち得ることができた技巧や能力のことを指します。タオのヒーリング・ラブを実修することで、放○でハレンチな妄想に乱されることなく、人生を変えていくという大きな報いが得られます。 しかしあなたは、この方法から学んだことをよく研究し、理解しようと努めねばなりません。そして、ヒーリング・ラブから驚くばかりの効果を得たいと欲するなら、一所懸命に実修していかな ければなりません。

 

ヒーリング・ラブの実修を始める前に、まず第一に、基本となる生命力としての気を、小周天に沿って循環させていく方法を学んでおくことが、何よりも絶対に不可欠です。ひとたび、小周天が開通したならば、ヒーリング・ラブの実修では、精気を同じ経脈に通すことによって、小周天をさらに開いていきます。また、小周天の実修には、内笑瞑想や六字訣などの瞑想訓練も含まれており、これら三つの瞑想の実修は、タオのシステム全体を通じて強調されています。そして、これらの方法を マスターしておくことは、ヒーリング・ラブを成功裡に実修するためには必要不可 欠なことなのです。ただ性的渇望に駆られただけで性的修練法の実修を急ごうとする人たちは、これらの準備的な方法をきちんと最初にやり遂げていないと、肉体的、情緒的な健康を危険に晒してしまう恐れがあります。

 

これら準備となる三つの実修には、心とからだのエネルギーが通る経路を浄化する効果があるからです。 ヒーリング・ラブの実修を支える二つの柱は、性エネルギーの保持と、その変容です。性エネルギー保持の原則は男女ともに共通しているものですが、実際にそれを行っていく方法には、男女別の違いがあります。男性は主に射精によって性エネルギーを失ってしまいますが、女性はこれに反して、オルガズムによってもさほどエネルギーを失うことはありません。その代わり、女性は主に月経と出産によって、精気を失ってしまうのです。 男女とも、主に精気が失われるのは、精子や卵子の細胞が実際にからだから離れてしまうときです。 したがって、ヒーリング・ラブの実修では、生殖を望む場合を 除いて、性エネルギーを保持するためにまず精子と卵子を保存し、再吸収して、精子と卵子の中の精気をリサイクルすることを強調しています。

 

睾丸呼吸と卵巣呼吸 

 

睾丸呼吸と卵巣呼吸というヒーリング・ラブの実修では、生殖器に降りていこうとする気を引き戻し、リサイクルする方法を教えています。月経や射精によって体外に失われてしまう前に、この気を引き戻し、からだを潤していくのです。このエネルギーは、器官や腺を癒し、脳や骨髄、神経系統を強化して、全身にエネルギーを与え、ひいては小周天を開通する助けともなります。女性からは月経前症候群(PMS)の症状の軽減や、生理痛が軽くなったり 、短くなったり、あるいは治ることもあるという報告をよく受けます。睾丸呼吸と卵巣呼吸は、精子と卵子の気をリサイクルするので、子供を産みたいときには、この実修を一時控える必要があります。実修が高度なレベルに達すると、避妊の処置をする必要がなくなります。睾丸・卵巣呼吸を含め、本章に盛られている性的テクニックの数々の詳しい内容については、男性は 『タオ性科学 自然治癒力を高める陰陽和合の秘訣(Taoist Secrets of Love)』、女性は 『タオ性科学~女性編~(Healing Love Through the Tao)』(ともにエンタプライズ刊)をご覧ください。 

 

引用文献:「タオ人間医学」マンタク・チア 著