内笑瞑想(インナースマイル瞑想)について

内なる微笑み 

からだについて理解する 

 

人はまず、器官と腺についてよく知っておかねばなりません。内臓に何か問題があると、ある種の感情が湧き起こってきます。肺に何かの症状があったり、衰弱していたりすると悲しみや憂うつなどの感情が起こることがあります。肝臓に過剰な 熱が集まったり、うっ血が留まったりすると怒りが起こりやすくなったり、不機嫌になったりします。肝臓が衰弱すると、からだの活動力が低下する原因になったり、からだをうまく操れなくなったりバランスを崩したりします。また、心臓に熱が過度に集まるとイライラや憎しみ、残忍さなどの感情が湧きやすくなります。心臓が弱まると、からだの温かさやバイタリティーに欠けるようになってしまいます。脾臓や胃や膵臓が衰弱すると、心配事や不安などの感情が起こったり、心の平静さを欠くようになったりします。腎臓が衰弱すると恐れがおこったり意志の力や野心に欠けるようになることもあります。

内笑瞑想の基本 

 

内臓と腺中枢が、からだのどの位置にあるかが把握できたら、目を閉じてそれらに微笑みかけてみましょう。まず、頭の中にある脳下垂体と松果体から始めます。甲状腺と副甲状腺、それから胸腺や心臓にも微笑みを送ります。心臓の中心から愛と幸福が湧き起こってくるのを感じてみてください。両肺に微笑みかけると勇気の感情が湧いてきます。今度は牌臓と胃と膵臓に微笑んで、寛大で公明正大な感覚を感じてください。肝臓と胆嚢に微笑みかけると優しさを感じます。腎臓と膀胱に笑いかけると穏やかさを覚えます。そして性器に微笑みを送って、創造性の感覚を味わってみましょう 。あなたが内臓に微笑みかければ、否定的なエネルギーはだんだん と肯定的な生命力に変化していくのです。

そしてしまいには、内視を働かせることによって、からだのどの部分ともつながりを持つことができるようになります。また内なる微笑み(内笑瞑想)を使って、あなたが感じている否定的な感情を変容させていくことによって、良い気分を感じて内臓の中のエネルギーを高めていくことを学びます。やがてはこうした感情が心の中にプログラムされるようになり、実修の効果をスピード・アップするので、エネルギーが動いている感覚をただ思い出しさえすればよいようになります。 

内なる微笑みと許しの実修 

 

人を許すために、タオでは内なる微笑みを使います。否定的な感情が湧き上がってくるのを感じても、誰に対しでも、あるいは何事に対しでも、裁きの目をもって見ないようにします。ただ内側にいる自分自身に触れ、内笑瞑想を使って、否定的な感情を肯定的な徳のエネルギーに変容させていくのです。 これをマスターするためには内笑瞑想を毎日続けていく必要がありますが、その効果は、最終的にはあなたの周りにいる人たちにまで及んでいきます。彼らは、あなたが高いパイプレーションを発しているのを感じ取ることでしょう。あなたが自分自身を愛し、大宇宙に遍満する無限の愛のプールとつながることを学んだら、あふれんばかりの豊穣なる愛を得たも同然です。あなたが愛している人や、苦しんでいる人々にも、愛を送ってあげることができます。あなたの敵をも愛することを学ぶことで、ハートをさらに大きく開いていくことができるのです。

 

内笑瞑想

 

ヒーリング ・タオ・システムの中のどんな瞑想を行う場合でも、まず最初に内笑瞑想から始めるようになっています。そこで、この瞑想法の完全な実施方法を、ここで詳細に説明しておきましょう 。いったんこの内笑瞑想をマスターすれば、からだの中のどの部分にでも、望むだけの時間、微笑みのエネルギーを送ることができるようになります。この瞑想を練習しはじめると、説明通りにすべての行程を終えるまでに20分ほどを要しますが、毎日練習していれば時聞はだんだん短くなっていき、内なる微笑みがより迅速にからだと心に効果を及ぼしていくのが感じられるようになってきます。

ここに示されている練習の各ステップをきちんと学んでしまえば、練習の指針に沿ったやり方で内笑瞑想の短縮形を自分でアレンジできるでしょう。内笑瞑想は、あなたの都合がよいときにいつでもどこでも行うことができます。 からだの必要に応じて内笑瞑想をかなり長い時聞かけて行う人もいますが、大部分の人たちは、初期の訓練における主要な瞑想法である小周天を始める前に、からだをすみやかに活性化するために内笑瞑想を用いています。さらに上級の瞑想を実修するときでも、実修者は常に内なる微笑みを意識しながら瞑想を続ける必要があるのです。内臓に何かしら問題があったり、特にからだが緊張しすぎていたりするときには、内なる目を使って微笑みを内側に向けてからだを癒し、平常な状態に回復することができます。

 

理論から実際へ 感情のエネルギーと内笑瞑想 

 

ヒーリング ・タオ ・システムでは、からだと気と感情に安定をもたらす訓練は、内笑瞑想から始めていきます。 私たちは日頃から、自分のからだや感情というものに意識を向け、それらと接触する機会があまりないために、自分の内部が調和を崩し始めていたとしても、そのこともわからずに、しまいには重病に罹ってまってから、それにやっと気づいてビックリしてしまうのです。

毎日、内笑瞑想を行っているということは、定期的に自分の内部を見つめ、内臓や気や呼吸や情緒の状態に触れることができるように日課のスケジュールが組まれているのと同じです。こうした日課の中で、何かの問題の徴候が出てくるのを見つけたら、それがまだ芽のうちに摘み取って「未病を治す」ようにすれば、より簡単に対処することができるのです。自分自身を低く評価してしまう、という傾向が、風土病のように蔓延しつつあります。自分自身を愛することを教わったり、自分を愛するように励まされることがないと、他の人たちとの聞に健康で愛にあふれた関係を持つことができないばかりか、地球との関係さえも良くなってはいかないのです。現代の社会のありさまや地球環境の状態は、まさにこの愛に関するアンバランスさという問題を直接に反映しています。

 

内笑瞑想は、ただ自分の中に巣くっている否定的なものを見つけるだけではなく、 私たちが生まれつき持っている肯定的な性質に気づくことをも教えてくれます。この瞑想を規則正しく練功していけば、自分自身の本当の姿を知ることができます。 自分の中の否定的な部分だけでなく、徳をも見いだすことができるのです。これによって、より本物で、かつ、より健康的な自己イメージ、すなわち、自分自身の本質に密接している自分のイメージを持つことができるのです。内笑瞑想は、愛する力を育んでいきますが、それをまず、あなたのからだを愛することから始めていくのです。自分自身を愛することを学び、ありのままの自分を受け入れることができると、この愛を自分の外側に広げ、他の人たちや生き物たち、場所や物までをも愛し、受け入れることができるようになるのです。 内笑瞑想は、数あるストレス・マネジメント法や自己ヒーリング法の中でも最高のものの一つであり、深いリラクゼーション状態をもたらします。深くリラックスすると、気の滞り不健康な気の状態の原因となる、心身の緊張状態が解消されます。そのため、内笑瞑想はいつも、その他の瞑想や気を循環させる気功の準備や、ウオームアップに使われているのです。

病気の予防とメンテナンスこそが健康の王道 

 

紀元前 2世紀に書かれたタオの医学書の古典で、黄帝によって著されたとされる 「黄帝内経」には、このように記されています。「病気を治すことよりも、健康を維持していくことこそが、究極の知恵である。すでに病気が現れてしまったあとでそれを治すのは、あたかも、喉が乾いてから井戸を掘るようなものであり、戦争がすでに起こってしまってから武器を鋳造するようなものである」。 ヒーリング・タオでは、毎日、自分のからだの中の内臓とつながり、内分泌腺とつながり、からだのその他の組織とつながっていく実修を続けていくことを強く勧めています。

内笑瞑想によって、あなたの中に肯定的な感情が創り出されます。これは、健康維持と自己治癒にとって重要な要素です。あなたが自分のからだの状態についてハッキリと気づいていれば、何かの不調が起こった場合でも、すぐさま、それを初期の段階のうちに察知することができるのです。何かの問題が潜在していることに気がつくやいなや、すぐさま練習する時間をつくり、否定的な感情や症状を除去すればよいのです。このようにして、起こってきた問題に、とても簡単に対処することができるのです。

引用文献:「タオ人間医学」マンタク・チア 著

 

 


内笑瞑想のプラクティス

 

内笑(インナースマイル)のプラクティスを行うと、健康的で、自分自身とも他者とも愛のある関係性の発達が始まります。このプラクティスは、身体の中の主要な内臓の場所をイメージするため、私が始めて、内笑瞑想を習った後にとった行動は、解剖学の本を購入することでした。解剖学の本のイラストにより、内臓の形のイメージに大変役立ちました。

タオでは、肉体は魂とスピリットの住処であり、各内臓は独自の魂とスピリットのエネルギーを持っていると信じられています。内臓にネガティブな感情を抱え込み過ぎると、それぞれの内臓の魂やスピリットが肉体を離れてしまい、大きな問題になってしまいます。そうなれば、精神病院で生涯暮らすことにもなりかねません。私たちには人生を変容させるパワーがあります。内臓を培うプラクティスを行なうことは、健康、成功、幸福の鍵になります。

 

このプラクティスはいたって簡単なのですが、とても奥深いものです。内臓の純粋なエネルギーに微笑みかけて同調すると、顕著なリラクゼーションが起きるのです。特に脊髄に沿って微笑みかけると効果的です。背骨が緊張して硬いと、落ち着くことは不可能だからです。

 

私は時間がある時には、いつでも内臓に微笑みかけています。レジの順番を待ち並んでいる時、渋滞に巻き込まれている時などにも、内臓に微笑みのエネルギーを送っています。さらなる愛、穏やかさ、優しさ、勇気、信頼を感じ、そしてそれぞれの臓器に対応する色の明るさや鮮やかさを増したいという気持で行っています。

 

すべての内臓のエネルギーのバランスがとれている時、私たちは「自己愛」を感じます。愛のエネルギーが宿る心臓のエネルギーは、普遍的な愛である、私たちの神聖なる根源とのつながりを与えてくれています。内在の源と外在の源のつながりには、宇宙からの普遍的な愛を引き寄せる必要があります。そのパワーを高めるためには、まずは自らの内側で愛を育てることが必要です。

 

私たち個人が持つエネルギーには限りがありますが、宇宙の愛のエネルギーは尽きることはありません。この源泉とつながる方法を知ると、常に自分自身への愛と他者への愛が十分にあるという状態になります。この方法を知らずにいると、自分の可能範囲以上を他人に与えてしまい、それによって徐々にエネルギーが消耗され、心臓に内在する愛が燃え尽きてしまうのです。

 


 

内笑瞑想を実践する適切な時間は朝です。

その日の行動開始前の前に、手を内臓の位置に置き、そこに微笑みかけてください。各内臓の持つ美徳に同調し、それぞれの徳性の名を繰り返しイメージしつつ成長させ、感じていきます。そしてそれぞれに対応する色をイメージし、内臓をその色で満たしていきます。そして内臓が光って、輝きを放つのを見てください。

 

イエスキリストにしても仏陀にしても、その他の大勢の偉大なマスターや師たちが、自ら寺院や教会を建てなかったというのは興味深いことだと思います。イエスキリストは「あなたの身体があなたの神殿だ」と言いました。イエスキリストも仏陀も何年もの歳月をかけて、自らに内在する寺院を建てたのです。

ユニバーサル・ヒーリング・タオ・システムは、とても肉体的なプラクティスであると言われることがよくあります。数多くの他の教えが、身体を忘れ、宇宙にのみフォーカスし、偶像を崇拝することだったり、天上の存在を讃えることだったりするからです。古代のマスターたちは、肉体こそが神の神殿であると明確に宣言しているのに、なぜ他のものにフォーカスするのでしょうか? 私たちの意識が在る所へ気は流れます。自らの外側に賛美の対象を向ければ、エネルギーもまたそちらへ流れます。私たちが自分の外側を対象にした瞑想にたくさんの時間を費やすと、気、生命エネルギーは離れていってしまうのです。

自分の神殿を建築するためには、心臓のイメージを保持しながら、心臓に微笑みかけましょう。こうすることで、心臓とのつながりができます。このつながりを作るだけで、内在する神殿の建築が開始されたことになります。当然ながら、全身のすべての部分に微笑みかけてください。頸椎から尾骨まで脊髄に沿って微笑みのエネルギーを送ってください。

 

ユニバーサル・ヒーリング・タオ・システムでは、瞑想やプラクティスを行う際に「意のパワー」を発達させ使用します。これは、〝目・マインド・ハート〟を一つにするという意味です。この三つが統合されると、とても強力なフォーカスになります。これを利用して気を動かしていくのです。

 


 

「内笑(インナースマイル)」瞑想と「六字訣(シックスヒーリングサウンド)」の違いは、基本的に六字訣ではネガティブな感情を観察し変容させていくのに対して、内笑瞑想では始めから美徳にフォーカスをするという点です。

しかし、内笑瞑想を行う際に、ネガティブな感情が湧き上がり、微笑むことができない場合もあるでしょう。そのような時はまずは「六字訣(シックスヒーリングサウンド)」の発声と腕の動きのプラクティスを行ってみてください。ネガティブからポジティブへと感情を変容させ、内臓のエネルギーが美徳と共鳴した時、私たちの内面の美しさは成長します。他者から愛される人になるためには、まずは自分自身を愛さなくてはならないのです。

しかし、私たちはしばしば他者の愛に依存します。これは、自分自身と調和していないから起こるのです。そして私たちは自分自身のことをネガティブに思いがちです。「もっと顔やスタイルが良かったら...」、「有名なスーパースターに似ていたら...」など、もしもこうであれば、全男性から好かれるのにというような思いです。

タオでは、愛はスープのようなものだと言います。美味しいスープを食べたいならば、多くの良質な材料が必要です。例えばチキンスープを作るのであれば、水、鶏肉、塩、それに人参やパセリが必要になります。材料自体は単独で美味しくなくても、すべて合わさったスープになれば、美味しさは増します。愛されるためには、まず自分自身を愛して、信頼、勇気、優しさ、親切心などを培わねばなりません。

 

オープンで公平で信頼していて=脾臓の美徳、勇気があり公正で=肺の美徳、優しく落ち着いていて平和的であり=腎臓の美徳、親切で寛容=肝臓の美徳である時、私たちは愛を感じるのです。内笑瞑想のプラクティスで行ったように、螺旋を描きながらこれらすべての美徳を心臓で混ぜ合わせると、豊かな愛、喜び、幸福を心感じられます。美徳を生きるようになると自らの、そして他者の誤った行動を許し、忘れ、手放すことができます。そして、思いやりの慈悲の心が創られます。

 

これは、スピリチュアルな人生を生きるための最初のステップです。

近頃は実に多様な娯楽の選択肢があり、私たちは自分自身とつながることから逃避しがちです。健康や幸福、あるいは悟りを探して何時間もインターネットサーフィンをして過ごすこともできますが、最も重要な気づきは私たちに内在していることを忘れていけません。

 

引用文献:「女性のためのタオ・エナジープラクティス」ユタ・ケレンバーガー・ライヒエルト 著